📗たなばた(The Adventure of the Weaver and the Cowhead – An Chinese Tale)
再話 : 君島久子
え : 初山滋
出版社: 福音館書店
淡い色彩と構図が特徴的な絵を眺めていると、どんどんと天女や星にまつわる想像の世界へと引き込まれていきます。
昔、天の川の東に住んでいた7人の天女の末娘、織姫のお話です。天の川の西には人間が住んでいましたが、そこに住む一人の牛飼いが天の川の淵で織姫と知り合います。織姫はこの牛飼いの妻となり、二人の子どもを授かって幸せに暮らすのですが、このことが天の王母さまに知れ、織姫は東側に連れ戻されてしまうのです。牛飼いと二人の子どもは、織姫を連れ戻すために必死で策を練って試すのですが、王母さまの力にはどうしても及びません。しかし、それを知った王母さまは、年に1度、7月7日にカササギが天の川にかける橋の上で、織姫と会うことを許すのでした。
七夕に雨が降るのは、織姫の涙。天の川の西側に強くきらめく星が、牛飼いと織姫。牛飼いのそばに二つ並んだ小さな星が、二人の子どもたち。
今年の七夕は、晴れるといいですね。